by James P. Hogan

未踏の蒼穹

没後12年。ジェームズ・P・ホーガンのSFが訳されるのもこれが最後かもしれない。

紹介文で触れざるを得ない舞台設定の説明でもはやストーリーバレしているので、 如何に科学的な辻褄を合わせていくのかというところにまで面白さの壺が縮退してしまっているのでまあ不利な状況ではある。 そして21世紀バージョンのホーガン作品の共通トンデモ理論がSF考証設定なので、それもまたセンスオブワンダーのスケールを縮退させてしまった。 というわけで何かシナリオ、じゃないプロットをざっと眺めるような感じで1日で読んでしまった。

次から次に謎が深まらないので、まあ、そういうことでした。

一つどうでもいい疑問。 生物の環境対応能力がそもそもDNA(なり細胞内情報処理回路)に所与のものとしてプログラムされているというなら、全ての生物は共通のDNAを持っていけないはずなんだが、どう言いくるめる(くるめた)つもりだったのだろうか。