読書感想文

題材が今ひとつ興味が持てなくて、しかしベストセラーになっていたので、時間ができたら読もうと思っていた 井上ひさしの長編小説「四千万歩の男」。 ようやく読了。

なんと、

ということで、想像していたのはかなり違う内容だった。 なので一気読みとはいかず、Fire and Blood (the latest prequel of Game of Thrones) は英語で、こちらは日本語だけども、掛かった時間は同じような感じになってしまった。

とはいえ面白くなかったわけではないので初めて小説タグなんてものを作ってここに記すものナ里。

ちなみに6月19日は小説に描かれた最後の日、北陸沿岸測量の出立の日。 そして2020年6月20日には日本で観測できる日食がある。 測量と天体観測とによって緯度1度の距離を求めようとした伊能忠敬に関連した日なのでした。

最後に(「糞」と書いて)「ばば」に関する蘊蓄を引用しておこう。

糞というのは質の悪い下肥のことだ、と源兵衛はいった。たとえば、甲という百姓に長屋の惣後架(共同便所)の下肥を汲み取らせて、次に空になった後架に商人店の下肥を入れ、乙という百姓に汲み取らせる。この場合、乙が糞を摑んだことになる。よく知られているように、長屋の住人はその場しのぎのその日暮しだが、口がおごっており、良質の下肥を落す。一方、商家は構えば大きいようだが、使用人に碌なものも食わせていない。そこで彼等の下肥には作物の滋養になるものが乏しく、下々の質である。この下々の下肥を上々吉の下肥に見せかけて売る家主が多いので閉口するという。